世界に挑戦するJ-Startup選定企業を集中支援！JETROの海外展開サポート制度

1924年に開幕した「IFA」は、かつてアインシュタインがオープニングスピーチを行ったことでも知られる世界屈指のコンシューマー・エレクトロニクスショー。参加企業19社は、各国のスタートアップや最先端のIT企業等が集う特設エリア「IFA NEXT」の「ジャパンパビリオン」に出展し、‟ジャパン・スタートアップ”の存在感を示しました。

世界的な思想家やトレンドセッターがデジタルの未来について予測する特設ショー「IFA＋サミット」では、音声から感情を分析するAIの開発を行う「株式会社Empath」と、HRテック系モバイルアプリを提供する「Fringe81株式会社（従業員同士が日常業務の良い行動に対してポイントを送りあえるWebサービス：Unipos）」がJ-Startup優先枠で登壇。450人収容の大型ステージで、自社のビジネスアイデアやテクノロジーの活用法を各国のトレードビジターに向けてアピールしました。

さらに、今回日本のスタートアップ15社が登壇したピッチコンテストでは、6部門のうちデジタルヘルス部門とAI部門で、J-Startup選定企業である「トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社（排尿のタイミングを知らせるウェアラブルデバイス：DFree）」と、前出の「株式会社Empath」の2社が優勝を飾るという快挙も成し遂げました。

海外イベントにおいてプレゼンやピッチを行う際には、希望に応じてJETROによる英語ピッチの個別トレーニング支援や、現地アクセラレーターによるメンタリングなども提供されます。スライドの見せ方や英語表現の改善、また現地の文化を踏まえたアドバイスなど、さまざまな角度から内容のブラッシュアップを重ねていけるのがメリットです。

「ジェトロ・グローバル・アクセラレーション・ハブ」設置箇所

JETROでは、海外へスケールしていく日本のスタートアップに対し、こうした国際イベントへの出展サポート以外にも、さまざまな支援を提供しています。その中でも利用価値の高いメニューの一つが、現地進出の際の大きな足がかりとなる「グローバル・アクセラレーション・ハブ」。

これは、世界の先進的なスタートアップ・エコシステム12ヶ所において、現地のアクセラレーターやベンチャーキャピタル（VC）がメンターとなり、日本のスタートアップに対し、現地情報の提供や現地の事業機会、戦略に関するメンタリングをはじめ、パートナー候補やVC等投資家の紹介を無償で行うサポートプログラムです。また、2019年度からは、日本のスタートアップの進出先として有望な都市11ヶ所を「イノベーション・ホットスポット」として選定し、同様に現地のアクセラレーター等とパートナーを組み、事業機会へのアドバイスやマッチングのサポートを行なっています。

「グローバル・アクセラレーション・ハブ」は、2019年4～9月の６カ月で400件以上の利用実績があり、J-Startup選定企業だけでなく数多くの日系スタートアップに活用されています。

先の「IFA NEXT」においても、出展企業は「グローバル・アクセラレーション・ハブ」ベルリン支部のパートナーとZOOMによる事前のウェブ会議を重ね、IFAにおけるゴール設定の構築、また希望する海外企業とのマッチングオファーなど、本支援を積極的に役立てていました。

このほか、J-Startup選定企業限定の支援としては、海外VC、海外の大手企業・財閥企業などの照会に応じて、J-Startup選定企業と1対1でつなぐマッチング支援なども行っています。これは、前者の企業が抱えるビジネス課題解決のためのソリューションを提供できるスタートアップを引き合わせ、両社の協業を推進するといった取り組みです。

グローバルにビジネスを展開するためには、支援者との関係を構築し、最新の情報を得ることが欠かせません。今回取り上げた支援はごく一部ですが、既存の支援プログラム以外でも「こういった困りごとを解決したい」など具体的なオファーがあれば、J-Startupコミュニティならではの知見とネットワークを活かしてあらゆる方向から全力でサポートしていきたいと考えています。多彩な支援をぜひご活用ください。

※「ジェトロ・グローバル・アクセラレーション・ハブ」・「J-Startupパビリオン」出展枠は、J-Startup選定企業以外のスタートアップ企業も利用可能（J-Startup選定企業は優遇）です。興味のあるスタートアップ企業はお問い合わせください。

ジェトロ・スタートアップ支援課

Tel：03-3582-5770（受付時間：10時～17時）

E-mail：JETRO_J-Startup@jetro.go.jp